栃木県宇都宮市のユウケイ武道館(栃木県総合運動公園武道館)で開催された「第77回国民体育大会 剣道競技」で、本県からは成年男子チームが出場。1回戦は北海道と対戦し、3-1で勝利。2回戦は東京都と対戦、先鋒、次鋒が2本勝ちしましたが中堅、副将、大将が善戦しながらも負け、取得本数では上回りながらも2-3で惜敗、3回戦には進めませんでした。
結果は下記の通りです。
▽成年男子1回戦
福井 3-1 北海道
中村 メ、メ-コ 大塩
林田 メ- 地白
鈴木 メ- 後木
松井 コ-コ 福井
山本 -メ、メ 佐賀
▽同2回戦
福井 2-3 東京
中村 コ、メ- 星子
林田 メ、メー 竹ノ内
鈴木 ドーメ、コ 畠中
松井 ード 小関
山本 コード、メ 笹川
所感 栃木国体監督 柳原 潤一郎
新型コロナ感染の影響で3年ぶりの開催となった国体が、10月3日(月)~5日(水)栃木県宇都宮市のユウケイ武道館にて行われました。本県からは成年男子の部に先鋒中村翔太郎(明治大学)、次鋒林田匡平(丸岡高校教員)、中堅鈴木秀典(福井県警)、副将松井宏文(敦賀気比高校教員)、大将山本英俊(福井農林高校教員)の各選手が出場しました。
事前に発表されていた組み合わせは大変厳しいものでしたが、福井国体の総合優勝、三重国体の中止に伴う代替大会での3位入賞、全日本選手権での林田選手の活躍など、強豪との戦いを何度も経験している本県選手の士気は高く保たれ、地元栃木県との対戦が予想される準々決勝進出を目標に錬度の高い稽古を重ねることができました。宇都宮高校で行われた前日練習には本県アドバイザーの高橋俊昭先生も駆け付けてくださり、本番に備えました。
初戦の北海道戦では、先鋒中村選手がコテを先取されたもののメン2本を取り返して先制し、林田選手、鈴木選手がともにメンの1本勝ちを収めて3連勝と絶好のスタートを切りました。
警視庁の選手を5人そろえる東京都との対戦となった2回戦は、この日の最終試合となりましたが、会場内は試合を終えた選手や多数の観客が見守る中で始まりました。昨年の選手権者星子選手に対する中村選手は、開始早々から気後れすることなく前に出て攻撃を仕掛けます。そして、負けじと出てくる星子選手の攻撃を読んでいたかのように鮮やかな出ばなコテを決めます。先制後も守りに入ることなく中心を攻め、今度は星子選手が間を詰めて出ようとするところにメンに跳び込むと、これも決まり2本勝ちします。続く林田選手の対戦相手は、筑波大学同級生の竹ノ内選手です。序盤、竹ノ内選手が何度も引きメンを仕掛けてきますが決まりません。中盤、林田選手は足を使って凌ぎながら機を伺い、間を詰めてメン・メンの連続技に出るとこれが決まります。この後、竹ノ内選手はツキ、豪快な飛び込みメンなど猛反撃に出ますが、ここも凌ぎます。境界線でもつれて「止め」がかかり、再開直後、鍔迫り合いに入った瞬間に林田選手が引きメンを放つと、これが決まって2本勝ち。場内が騒々しくなります。中堅鈴木選手は畠中選手と一進一退の攻防を続けますが、中盤コテに出たところをコテ・メンに乗られて先制されます。数合後、今度は畠中選手のメンを鈴木選手がドウに返してタイにします。この1本を返したことで東京都を追い詰めますが、試合終盤、鈴木選手の手元が上がった瞬間コテを決められます。副将松井選手は柔軟で軽快な動きで相手の小関選手に狙いを定めさせません。中盤、惜しい引きメンや引きドウなどもありましたが決まらない中、残り時間がまもなく1分になろうとするころ小関選手が逆ドウに出ます。わずかに下に外れたようにも見えましたが旗が上がり、そのまま1本負けとなります。2対2で迎えた大将戦、山本選手と笹川選手の一戦は、重厚な攻め合いから始まります。20秒ほど続いた気争いから笹川選手が思い切ってメンに出ますが、ここに山本選手の鋭いコテが決まり、先制します。2本目、さらに続いた攻め合いから今度は笹川選手が逆ドウに出るとこれが決まります。勝負となった2本目は、1本目と同じような攻め合いから再び笹川選手がメンに出ます。山本選手もメンを合わせようとしましたが、笹川選手のメンが勝り、わずかに及びませんでした。
試合には相模副会長、西川専務理事はじめ福井県スポーツ協会の本部役員も多数駆けつけていただき、激励いただきました。また、全国各県の役員や選手の方々からも健闘をたたえる温かいお言葉を頂きました。髙橋先生からは、今後に向けた強化の在り方を改めてご教示いただきました。これらをもとに来年の鹿児島国体での入賞に向け、本県関係者が一丸となって取り組みたいと思います。