【県剣連】令和7年度 福井県知事杯 第22回福井県剣道選手権大会 | 福井県剣道連盟

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行事案内
【県剣連】令和7年度 福井県知事杯 第22回福井県剣道選手権大会
  • 剣道
  • 試合
行事概要
開催日 2025年7月20日(日) 10:00~
会場 福井県立武道館
福井県福井市三ツ屋町8-1-1

男子は冨田選手が10年ぶり2度目、女子は大西選手が8年連続11度目の制覇!!

福井県剣道連盟は「福井県知事杯 第22回福井県剣道選手権大会」を2025年7月20日(日)、福井県立武道館で開催しました。県内各地区剣道連盟および団体から選出された代表選手男子39名、女子15名が出場し、男女別トーナメントで競いました。男子の部は冨田成慈選手(鯖江地区)が10年振り2度目、女子の部は大西ななみ選手(学剣連)が8年連続11度目の優勝を飾りました。冨田選手と大西選手はともに11月3日(月・祝)、東京の日本武道館で開催される「第73回全日本剣道選手権大会」、「第64回日本女子剣道選手権大会」への福井県代表選手としてそれぞれ選考されました。女子の部決勝戦は5年連続大西選手対梅原選手の対戦でした。
試合結果は以下の通りです。

■男子の部
優勝   冨田成慈選手(鯖江地区) ※全日本選手権大会出場は10年振り2回目の出場
2位  長野和生選手(学剣連)
3位  山﨑由樹選手(福井県警察)
3位  橋本恭祐選手(福井県警察)

▽準々決勝
山﨑由樹(県警) メー 内田大樹(県警)
冨田成慈(鯖江) メ、メー 徳橋知輝(福井)
橋本恭佑(県警) ドー 梅田圭仁(福井)
奥田大也(福井) ドー メ、メ 長野和生(学剣連)

▽準決勝
山﨑 ー延メ 冨田
橋本 ーメ、メ 長野

▽決勝
冨田 メー 長野

■女子の部
優勝   大西ななみ選手(学剣連)※全日本女子選手権大会出場は8年連続11回目
2位  梅原陽乃選手(越前地区)
3位  八幡明衣選手(福井県警察)
3位    小山結衣選手(福井地区)

▽準々決勝
大西ななみ(前回優勝) メー 廣門茜(福井)
八幡明衣(県警) コー 辻﨑実希(坂井)
小山結衣(福井) メー 竹元和葉(福井)
狩川怜那(敦賀) ー延メ 梅原陽乃(越前)

▽準決勝
大西 メ、メー 八幡
小山 ー メ 梅原

▽決勝
大西 メー 梅原

■大会講評
常務理事・審判長 堀江 範雄

7月20日(日)、出場選手女子15人、男子39人、今年の全日本剣道選手権大会出場の1枚の切符を手中に収めるべく、県立武道館において「福井県知事杯・第22回福井県剣道選手権大会」が開催されました。選手の皆さんは1年間精進された腕試し、県剣道連盟としても一大イベントの大会です。県代表を決定する大会です。審判員も開会式前に「審判打合せ会議」を実施し、適正公平に審判ができるよう、有効打突の判断及び鍔迫り合い等の反則事項を具体的に確認し、審判員相互の意思の統一を図りました。
開会式の片山会長から「最後までしっかり戦ってほしい」と挨拶があり、また中村忠嗣県流文化部文化スポーツ局長からは「国スポでの剣道競技の活躍が目覚ましい。今後も頑張ってほしい」そして稲田朋美衆議院議員からは「ただ一撃にかける」の様に自身も剣道をしていた者として皆さんに期待している」とそれぞれ激励のご祝辞がありました。

【女子の試合】
女子の試合は参加選手が少ないことから午後から開始されました。1回戦から準々決勝までは1本勝ち、また延長戦で勝敗が決まるという拮抗した試合ばかりでした。

〈ベスト4〉
大西ななみ選手(敦賀高校教員)、梅原陽乃選手(天理大学)、小山結衣選手(福井工業大学)、八幡芽依(福井県警察)が勝ち残りました。
準決勝戦の第1試合、大西選手と八幡選手の試合は、八幡選手が果敢に攻め技を出すのですが、それを大西選手が余して打突する。また技を出したら1本にするまで連続に打突する、出て良し、引いて良しの試合内容でメンの2本勝ちを収めました。
第2試合、小山選手と梅原選手の試合は、大学生同士で動きのある試合でしたが、梅原選手が中間から一瞬に引きメンを決めて1本勝ちを収めました。

〈決勝戦〉
5年連続同一カード、今年も確実な1本の打突を繰り出す大西選手と、初優勝を狙う梅原選手との戦いとなりました。試合は以前に増して攻めが鋭い大西選手と、今回は落ち着いて構えて様子を見ている梅原選手の、動と静の試合となりました。大西選手は鍔迫り合いから分かれても素早く間合いを詰める。その先々の先に対し、それに乗ろうとする梅原選手、決着はお互いが攻めて中間になった一瞬に引きメン技を出した大西選手が1本勝ちを収めました。
よく試合では足を使え(動く)、素早く攻めろ、相手が引いたら追い込め、相手の竹刀を触ってやれ、と言われます。大西選手はそれを忠実に実践され、どの様な体制でも打突できる体幹が勝利に結びついたと思います。
今回も梅原選手は後一歩で準優勝となりましたが、毎年決勝まで勝ち上がることは大変立派であると思います。精進されてリベンジを果たして頂きたいと思います。期待いたします。頑張ってください。
大西選手、今回で11回目の全日本選手権大会の出場となります。毎年が勝負でしょうが、昨年より上位の成績を収められますよう、思う存分戦って頂きたいと思います。期待しております。
年々女子の出場参加選手が少なくなり試合数も減り大変残念です。試合開始も午後からとなっています。運営の関係もありますが、来年は各地区連盟で協議して頂き、何とか出場者が増えて男女が同時に開催されることをお願いしたいと思います。

【男子の試合】

〈1回戦から3回戦〉
3回戦までに国スポ強化指定選手が殆ど勝ち残りました。強化指定選手は毎週木曜日に1時間、県立武道館で基本技及び打ち込みを中心とした練習を実施していますが、強化指定選手でも1回戦敗退、なかなか上位に勝ち上がれません。大変厳しい試合が続きました。しかし、その中でも畑祐一郎選手(鯖江地区)は47歳でありながら、トリッキナーな剣風で、若手を撃破していく姿に大変感銘を受けました。来年も頑張って頂きたいと思います。

〈ベスト4〉
ベスト4には警察官同門対決で、動きのある内田選手(県警)にメンの1本勝ちした山﨑選手(県警)、いつも強化で稽古をしている最近伸び盛りの徳橋選手(県警)に飛び込みメンで2本勝ちした冨田選手(刑務官)、同じく正攻法の梅田選手(教員)をドウの1本勝ちをした橋本選手(県警)、パワーのある奥田選手(学生)に2本勝ちした長野選手(教員)が残りました。警察官2名、教員1名、刑務官1名が残りました。

〈準決勝戦〉
第1試合は山﨑選手と冨田選手で、それぞれの職場ではベテラン選手であります。序盤戦はお互い探り合いの状況でしたが、少し慎重になっていた山﨑選手に対し、後半自分のペースに持ち込んだ冨田選手の思い切りの良い飛び込みメンが爆発し、冨田選手が勝利しました。
第2試合は、橋本選手と長野選手で、正攻法の長野選手がスピードのある飛び込みメンと相コテ・メンで2本勝ちを収めました。橋本選手はもう少し足を使えば勝機もあったと残念に思いました。

〈決勝戦〉
決勝戦は10年ぶりの優勝を狙う冨田選手と初優勝を狙う長野選手の対決となりました。試合は序盤からお互い技の探り合いの中、豪快に飛び込みメンを出す長野選手でしたが惜しくも1本にはならず、またチャンスをうかがいながら試合を進める冨田選手でしたが時間内には勝敗はつかず延長戦となりました。延長戦に入り少し慎重になった長野選手に対し、ペースを掴んできた冨田選手が間合いを詰めてキレのある飛び込みメンに対し、長野選手の返しドウが炸裂、審判員の旗が分かれ、冨田選手の飛び込みメンに旗2本、長野選手の返しドウに旗1本が上がり、冨田選手の優勝が決定しました。どちらに旗が上がってもおかしくない本当に紙一重のお互いの技でした。
優勝した冨田選手は6月の国スポ選考会では1回戦負けでしたが、その後の強化稽古会には参加しており、愚直にやってきたことが特に印象に残っていました。そこに最後の見えない力、旗2対1の勝利を呼び起こしたのだと思います。また試合には負けましたが、長野選手の堂々たる姿勢、態度については、今後の本県剣道界に新風を起こすことは間違いないと大変嬉しく思った次第です。

【総括】
男子については、昨年優勝者の林田匡平選手が地元長崎県に帰郷されて本命がいない中、誰が本大会を制するのかと思いましたが、10年ぶりに優勝した冨田選手は諦めずによく頑張ったと思います。また女子の大西ななみ選手は8年連続11度目の優勝で、全日本選手権大会11回目の出場となり、技術のみならず、不撓不屈の精神面を同時に備えられていることは本当に凄くて素晴らしいと感じました。
試合を観戦して感じたことは。やはり試合は「先々の先で試合をすること」が大事だと思います。故高橋俊昭先生は福井国体の強化で「攻撃は最大の防御なり」、「先をとり、攻めていくことにより勝機が見えてくるものだ」と言われました。また、「攻めていくが最後に怖くなり左手が上がったまま防御しながら打ちにいくのでは、打突しても1本にはならない。左手を上げない、正中線を取りながら打突することをしなければ全国でも通用しない」とも言われました。全くその通りだと思います。これらを克服するためには昨年も申し上げましたが、基本打ちを正しく行うこと。特にちょこんと当てにいくのではなく、切るということを意識して打突する。具体的には基本打ちは肩を使っての打突、更には竹刀の振りを大きく早く打突することです。参考にしてください。
今回も怪我なく終了したことは、選手は元より大会運営にご尽力頂いた全ての関係者のお蔭と思います。感謝申し上げます。ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
最後に毎回言うことですが、「勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし」と言われるよう、環境が整っているから勝てるのではありません。その状況でいかに工夫してベストを尽くしてやるか、その努力が必要なのです。その努力の結果、目に見えない力が出て勝利が来るのだと思います。お互い精進しましょう。

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