【県剣連】令和6年度 福井県知事杯 第21回福井県剣道選手権大会 | 福井県剣道連盟

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行事案内
【県剣連】令和6年度 福井県知事杯 第21回福井県剣道選手権大会
  • 剣道
  • 試合
行事概要
開催日 2024年7月21日(日)
会場 福井県立武道館
福井県福井市三ツ屋町8-1-1

男子は林田選手が4年連続、女子は大西選手が6大会連続制覇!!

福井県剣連は「福井県知事杯 第21回福井県剣道選手権大会」を2024年7月21日(日)、福井県立武道館で開催した。県内各地区剣道連盟および団体から選出された代表選手男子41人、女子16人が出場し、男女別トーナメントで競った。男子の部は林田匡平選手(学剣連)が4年連続6度目、女子の部は大西ななみ選手(学剣連)が6大会連続6度目の優勝を飾った。林田選手は11月3日(日・祝)東京の日本武道館で開催される「第72回全日本剣道選手権大会」へ、大西選手も同じく11月3日(日・祝)日本武道館で開催される「第63回日本女子剣道選手権大会」への福井県代表選手としてそれぞれ選考された。
試合結果は以下の通りです。

▼男子の部
優勝  林田匡平(学剣連) ※全日本選手権大会出場は5年連続7回目
2位  山﨑由樹(県警察)
3位  奥村龍也(三方地区)
3位  中村翔太郎(越前地区)

▼女子の部
優勝  大西ななみ(学剣連)※全日本女子選手権大会出場は7年連続10回目
2位  梅原陽乃(越前地区)
3位  小山結衣(福井地区)
3位  森川沙恵(敦賀地区)

 

■講評 審判長 堀江 範雄

今年も「全日本剣道選手権大会」の出場権を賭けた「福井県知事杯 第21回福井県剣道選手権大会」が酷暑のなか県立武道館で開催されました。選手はこの大会のために1年間稽古を積んできており、本県の代表選手を決める大事な大会です。審判員も試合前に審判打合せ会議を実施し、適正公平に審判ができるよう、有効打打突の判断及び鍔迫り合い等の反則事項を具体的に確認し、審判員相互の意思の統一を図りました。
開会式では片山会長から「今年の正月、石川県で発生した能登半島地震、早々に送った見舞金に対し、被災地の石川県、富山県からお礼と感謝の連絡がありました。他県ではその様な状況であるにもかかわらず、本県では当大会が実施されることに感謝したい。本日は本県代表選手を決める大事な大会です。皆さん頑張ってください」との激励があり、来賓の猪嶋宏記県文化・スポーツ局長からは「鹿児島国体での少年男子、成年男子の入賞は大変喜ばしいことです。今年もよろしくお願いします」とのお礼の言葉がありました。
審判長〈私〉からは、特に熱中症対策そして鍔迫り合いからの反則、これらの事について説明し、最後に本県の代表選手を決める大会であるので正々堂々と試合することをお願いしました。

【女子の試合】
~大西選手に負かす者は・・・今回も力強さは健在~

1回戦から準々決勝までは1本勝ちの試合が多く、また延長戦で勝敗が決まり、どちらが勝ってもおかしくない試合内容でありました。

〈ベスト4〉
大西ななみ選手(敦賀高教員)、梅原陽乃選手(天理大学)、小山結衣選手(福井工大)、森川沙恵(敦賀高)となり、昨年同様教員と学生が勝ち残りました。
準決勝戦の第1試合大西選手と小山選手の試合、第2試合の森川選手と梅原選手の試合は、体の動き打突の切れの良い大西選手とスピードのある梅原選手がコテを決めて快勝、決勝に駒を進めました。

〈決勝戦〉
4年連続同一カード、確実な1本の打突を繰り出す大西選手と、今年こそは初優勝をとリベンジに燃える梅原選手との戦いとなりました。
試合はお互いが技を出しますが1本にさせない固いガードの試合展開が続きましたが、途中、大西選手が鍔迫り合いになる前に引き技を出して相手との間合いを切ろうと少し離れた瞬間、前に出て諸手突き、会場がどよめくほどの素晴らしいツキでこれが1本となりました。梅原選手は間合いを切れるものと思ったのか、今まで動いて足がその時だけ止まってしい、大西選手にツキを打たれてしまいました。その後梅原選手は果敢に攻めますが決定打がなく、時間切れとなり大西選手の優勝が決まりました。
惜敗した梅原選手は打突の鋭さに加えスピードもあり、昨年よりも強くなったと感じました。一瞬足が止まってしまったことが悔やまれますが、そこを打突する大西選手の能力の高さは素晴らしいと感じました。来年の梅原選手に期待したいです。
今年の女子は去年より出場選手が少なく、試合数も減りました。盛り上がりに欠けたとは言えませんが、女子剣道の活性化の意味で来年は少しでも参加者が増えるとことを願います。

【男子の試合】
~いつまで続く林田選手の優勝・・・安定感のある試合運びで勝利を掴む~

男子は昨年より出場選手が増えました。その要因として県外から大学生が多く出場したからです。その結果、上位に大学生が勝ち残り将来に明るい展望となりました。

〈1回戦から3回戦〉
3回戦までに大学生が多く勝ち残りました。山本勇樹選手(日本体育大学)、松村怜治選手(筑波大学)、井出和樹選手(福井工業大学)、また中村翔太郎選手(明治大学)、奥村龍也選手(大阪体育大学)は県内強化指定選手を打ち破りベスト4に残ったことは大変すばらしいことであります。今後の活躍を期待するものです。

〈ベスト4〉
ベスト4には学生の山本選手に貫録勝ちした林田選手、県警で強化指定選手の戸島選手を延長の末勝利した学生の奥村選手、県警で強化指定選手であり若手の伸び盛りの徳橋選手に勝利した高校先輩で学生の中村選手、最後に警察官同門対決で橋本選手に勝利した県警の山﨑選手が残りました。

〈準決勝戦〉
第1試合は林田選手と奥村選手で、立ち上がりから奥村選手が足を使い動き回り、なかなか林田選手に打突の好機を与えない戦術でしたが、一瞬足が止まったところ引きドウを決められてしましました。その後の奥村選手はしっかり構えて試合をしましたが時すでに遅し、時間切れとなりました。いつもの奥村選手の剣道スタイルで試合を貫けば勝機はあったかと悔やまれますが大健闘だったと思います。
第2試合は中村選手と山﨑選手で、開始早々中村選手の思い切りのある諸突きがありましたが、部位をとらえてなかったのか旗は上がりませんでした。その後は山﨑選手の引きメンが決まり、その後取り返しに中村選手は前に出ようとしましたが、山崎選手に上手くかわされて時間切れとなり山﨑選手が勝ちました。

〈決勝戦〉
決勝戦は昨年同様となり、今年こそはとリベンジに燃える山﨑選手と連覇を狙う林田選手との試合となりました。試合は序盤からお互い豪快にコテ、メンと技を繰り出しますが僅かに決まりません。膠着状態の中から林田選手がスーッと間合いを詰めたところ、山﨑選手が捨て身のメンを出しましたが、待ってましたとばかりに林田選手の返しドウが決まり、勝負あり!林田選手の連覇が達成されました。
決勝戦を見て、山﨑選手は手元が上がらずにしっかりと中心を攻めて貫録のある剣風ができるようになったと感じました。今後は中堅剣士として若手を引っ張っていって欲しいと思います。そして試合後のキラリと光った悔し涙、必ず来年は嬉し涙に変えてほしいと思いました。応援しています。勝利した林田選手は、相手を出させて応じる、格段上にある剣道が習得されていると感じ、いつものとおり恐るべし林田!でした。

【総括】
今大会の結果は、男子は林田匡平選手の4年連続6度目の優勝、女子は大西ななみ選手の6大会連続6度目の優勝となり、この二人の技術面は当然ですが”不撓不屈”の精神を備えていると感じました。
試合を観戦して鍔り合いが大変難しいと思いました。この原稿を読んで頂いている皆さんも今一度、正しい鍔迫り合い、そこからの分かれ方、鍔迫り合いからの引き技について勉強してほしいと思います。また、試合になるとなかなか技が1本にならない、これは基本稽古の基本打ちができてない証拠です。今一度正しい打ち方、「打つということは切るということ」「当てるのでは切れません。体全体で打つことが重要」です。具体的に言いますと、右足でしっかり床を踏み込んでいるか?竹刀の振りを大きくすることです。そこのところを練習して頂きたいと思います。
大会の冒頭での会長からの挨拶で、能登半島地震について触れられました。お隣の石川県は被災地、本県は震災の被害は少なく、いつものとおり、あたり前であるがごとく剣道の稽古をしています。私たちは全てのあたり前のことに感謝して今後生活していく必要があると思います。
最後に大会運営にご協力頂いた全ての関係者に感謝申し上げます。ありがとうございました。毎回言うことですが、環境が整っているから勝てるのではない。「勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし」目に見えない努力が必要であることが大切と今年も確認した次第であります。
次回はあなたが優勝です!

 

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