令和5年度 第3回剣道審査研修会(四段以上) | 福井県剣道連盟

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行事案内
令和5年度 第3回剣道審査研修会(四段以上)
  • 剣道
  • 講習会
行事概要
開催日 2024年3月24日(日) 9:30
会場 福井県立武道館
福井県福井市三ツ屋町8-1-1
締切 2024年3月20日(水・祝) ※申込を締め切りました

福井県剣道連盟(審査部)は2024年3月24日(日)、福井県立武道館で「令和5年度 第3回剣道審査研修会(四段以上)」を開催しました。講師は相模利朗先生、堀江範雄先生、川野学先生、岩本卓也先生の教士八段4名が務め、各地区剣連から32名(四段2名、五段6名、六段5名、七段19名)が参加しました。

■段位審査員研修会
西川譲専務理事の開会挨拶、川野先生の進行説明のあと段位審査員研修が始まりました。最初に川野先生より、日本刀→木刀→竹刀を連動させる重要性、剣道形制定の背景や歴史説明の重要性、審査員の遵守すべき事項、着眼点、安全対策、男女別審査などの講義があり、次に岩本先生より、剣道形の教本は剣道形解説書・剣道講習会資料(+共通理解)の2冊のみ、解説は丸暗記するくらいに覚える、主要な言葉(気位、機、気争い、位詰め、気当り、入り身)も丸暗記する・・・など「日本剣道形」の講義を受けました。実技研修では、構え(中段、上段、下段、八相、脇構え)、小太刀の構え(中段、中段半身、下段半身)、共通動作(打太刀主導、すり足、目を離さない)の解説があり、太刀の形1~7本と小太刀の形1~3本を実演しながら要点を解説していただきました。受講者3人1組になり打太刀、仕太刀とそれを指導する指導者を交互に実施し、研鑽を深めました。
午後はまず段位審査受審者による模擬立ち会いを実際に審査し、講師の先生方から審査の講評を受けました。七段の審査員(6人×3組)の審査結果と八段4名の講師の審査結果を照らし合わせて、その差異と内容について共有しました。差異の特徴として、男女や年齢の違いに応じた評価の部分がばらけており、勝負の歩合に比重が置かれた審査となっている傾向がありました。改めて川野先生が冒頭で説明された審査の付与基準、着眼点、そして「段位審査を男女別でおこなうことについて」の資料を熟読し、理解を深めることの大切さを感じました。

■段位受審者研修会
六段から八段までを受審する受講者を対象に、六段から1組ごと(3~4名)に模擬立ち合いを行い、その立ち合いを4人の八段講師が講評するという方法で進めました。各段の講師の講評(気になった点)は以下の通りです。

【六段審査の立ち合い】
・着装(面紐の結び目、長さ、剣道着の色褪せ、袴のはき方)や所作(立礼、鞘引き、蹲踞)が適切ではない受審者が見受けられた
・全体的に充実した気勢が不足していた(絶対に合格するという気迫が不足)
・打ち切った技が出せていない
・女性が男性と立ち合う場合には、スピードやパワーで劣る場合が多いため、攻めて引き出すことを工夫するとよい
・お互い単調な技の応酬が多すぎる。溜めがない。技を出す前の一仕事が必要
・迎え突きは待っていると評価されるために多用しないこと

【七段審査の立ち合い】
・間合い入って「せーの」でなんとなく打っている立ち合いが多い
・危険な間合いで勝負できていない、がまんができていない
・捨て切った技が出せていない
・充実した気勢(声)が出ていない
・女性は男性と立ち合う時は自分から仕掛けるのは不利

【八段審査の立ち合い】
・気勢が充実していない(立礼の段階で充実していること)
・攻めて、溜めて、崩して、捨て身というプロセスが見えていない。ただ打っている
・打ちたい時と守る時が別々になっている。攻防不一致
・若手は試合稽古のような立ち合いになっており重厚感に欠けた
・打ち間に入るまでに有利な状態になっていない。勝って打っていない
・合気になれない、剣があわないタイプの場合、無理して打たない
・試合なら一本はすべて×
・気持ちが続かない。前半は良いが後半下がっていくケースが多かった
・冴えとキレがない。
・立ち合いを見ている観衆が「おおー」と歓声をあげるような一本がない
・危険な間合いで我慢できていない。簡単に打ち間に入って技を出している

■所感  岩本 卓也

最後の講師の講評は気になった点のみ紹介させて頂きましたが、良かった点としましては、受講生の皆様が積極的に参加くださったことにより、研修会の目的に沿った大変充実した内容になったことです。特に受審者研修会は、講師から自分の欠点や短所を指摘されるため、ともすると精神的に苦痛を感じることもあるかと思います。そういう意味では参加することにハードルを感じ勇気を伴う研修会であるのかもしれません。しかしそういう状況の中でも参加された受講者の皆様は、ハードルを乗り越えたことで大きな収穫を得ることができたのではと思っております。今後の課題とし、て六段以下の受講者をもう少し増やしていきたいと考えております。皆様にとって当研修会がご自分の技倆を高め、昇段のための有効なサポート役になっていけることを目指していきますのでよろしくお願いします。
次回は、2024年10月6日(日)午後、県立武道館で審査研修会(四段以上)を開催する予定です。皆様のご参加お待ちしております。

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