2021年度(令和3年度) 第69回全日本都道府県対抗剣道優勝大会

行事概要
開催日
令和3年12月26日(日)
会場
和歌山ビッグホエール・ビッグウエーブ
結果

「第69回全日本都道府県対抗剣道優勝大会」が2021年12月26日(日)、和歌山市の和歌山ビッグホエールで開催されました。福井県は1回戦で高知県と対戦し、3勝(4本取得)―3勝(5本取得)で本数負けでした。優勝は和歌山県(6年振り2回目)、準優勝は熊本県、3位は福岡県、長崎県。

 

【観戦記】
強化・選考部長 柳原潤一郎

当初は2021年4月29日に大阪市で開催される予定だった標記の大会が、コロナ感染の影響で延期となり、2021年12月26日(日)和歌山市ビックホエールに会場を移して開催されました。本県選手団は、先鋒奥村選手(敦賀高校)、次鋒楠原選手(福井工大)、五将梅田選手(啓新高教)、中堅林田選手(丸岡高教)、三将鹿本選手(福井県警)、副将脇本選手(福井刑務所)、大将小辻選手(三方中教)という実力者揃いの編成となりました。大会までに数度の強化練習を組み、前日には気比中学校体育館にて最後の稽古を行いましたが、いずれもよい動きで、上位進出も期待できる仕上がりでした。
高知県との1回戦、先鋒の奥村選手は、立ち上がり早々果敢に攻め込んでくる相手の攻撃を落ち着いてさばくと、すぐに攻勢に出ます。手元が上がった瞬間を逃さずコテに仕留めて先行し、さらに中盤相手のメンを瞬時に抜いてメンを決めて二本勝ちを納めました。続く楠原選手は下半身がぶれないしっかりした構えと軽快な足さばきで機を伺い、思い切った技を繰り出します。緊迫した展開となりましたが相手も崩れず引き分けとなります。梅田選手は風格ある構えから、出ばなを逃すまいという気で間を詰めます。相手も果敢に攻撃を仕掛けてきますが梅田選手は全く動じません。終盤、相手選手が思い切ってメンに飛び込んできたところをコテに合わせて一本勝ちし、林田選手に繋ぎます。全日本選手権、とこわか大会とメン技が好調であった林田選手ですが、相手選手もよく研究しており、早い展開で攻撃を仕掛けて来て十分な機会を与えてもらえません。それでも試合中盤、相手の出ばなを鮮やかにとらえ、メンの一本勝ちとします。中堅を終えて3―0という絶好の流れで後半戦に入りますが、ここから思わぬ展開となってしまいます。鹿本選手の相手は強豪として知られる中澤選手で、上段の鹿本選手に対し左右のコテを伺いながら間を計ります。鹿本選手はその瞬間をメン、コテ、コテメンの連続技などで狙いますが決まりません。膠着した展開が続き、「引き分け」も念頭に浮かんで来る終盤、中澤選手が間を詰めると瞬時に左コテをとらえます。さらに同じような展開からコテを奪われ、二本負けとなります。続く脇本選手は、立ち上がりから気迫十分で、思い切ったメンで攻撃を仕掛けます。今夏に昇段し大会前の稽古も充実しており、その勢いを感じさせる試合運びでした。後がない相手選手も、果敢に脇本選手の出ばなを狙ってきますが捉えられません。後半も間を詰めてメンを狙って出る脇本選手ですが、タイミングを合わせてきた相手に返しドウを奪われて1本負けとなり3―2と迫られます。1本負けでも代表選という場面で大将戦を迎えます。教士七段同士の一戦は双方の気が充実し、触刃での攻防が続きます。小辻選手が先を取ってメン、コテと仕掛け相手に攻撃の糸口を与えません。しかし、機とみてコテに出たところに抜きメンを先取されます。さらに相手選手は小辻選手の打ち気を利用するようにメンを誘い、飛び込みドウに出るとこれが決まります。3―3ながら取得本数差で逆転を喫してしまいました。
本当に残念な結果となりましたが、最後まで攻めの姿勢を貫いた本県選手の奮闘は大変素晴らしいものがありました。また高知県の後半の粘りも見事でした。高知県はこの後も勝ち上がり、ベスト8に進出しました。