2022年度(令和4年度)第52回全国中学剣道大会

行事概要
開催日
令和4年8月19日(金)
会場
ウインドヒルくしろスーパーアリーナ
結果

2022年(令和4年)8月19日(金)~21日(日)、「咲かせよう君の花 北の大地とみちのくで」の大会テーマのもと、「第52回全国中学校剣道大会」が北海道釧路市のウインドヒルくしろスーパーアリーナで開催されました。団体戦に鯖江中学校の男女剣道部、男子個人戦に堀登真選手(鯖江中)と下寛人選手(丸岡中)、女子個人戦に伊藤光希選手(鯖江中)と山下心優選手(鯖江中)が福井県代表として出場しました。下選手は全中大会男子個人戦の福井県勢最高成績となる第5位(ベスト8)に輝き、福井県中体連の新たな歴史の1ページを切り拓いてくれました。

結果は下記の通りです。

【団体戦】
■男子 
▽2回戦
鯖江中                  九州学院中(熊本県)
岸本心   -  メ 石橋
岸本掌   -  メ 田村
田中    -  コ 安方
荒井    -    米田
堀     -    中村

■女子 
▽1回戦
鯖江中                   杵築中(大分県)
吉田    -     鈴木
窪田    -     秦
山下    - メ、メ 時村
藤田    - ド   矢野
伊藤    -     福園

【個人戦】
■男子 
▽1回戦
堀登真(鯖江中)     - コ 橋本十座(山口県 熊毛中)
下寛人(丸岡中) メ、コ - メ 押渕碧(長崎県 長崎南山中)

▽2回戦
下寛人(丸岡中) メ、コ -   中堂希璃人(京都府 久御山中)

▽3回戦
下寛人(丸岡中) コ    -   田中志武(香川県 龍雲中)

▽4回戦
下寛人(丸岡中) メ   -   安方晴真(熊本県 九州学院中)

▽準々決勝
下寛人(丸岡中)     - メ 片山倖之介(愛媛県 重信中)
※第5位

 

■女子
▽1回戦
伊藤光希(鯖江中)   - コ、メ 柳瑠里(埼玉県 北本中)

▽2回戦
山下心優(鯖江中)   -  メ  佐藤凛和(三重県 陵成中)

 

観戦記  鯖江中学校剣道部顧問 澤田泰治
コロナ禍の中で開催された本大会は、1日目に女子団体戦、2日目に男子団体戦、3日目に個人戦と部門別に試合日を分けて開催されました。

女子団体戦では、鯖江中学校が優勝候補筆頭との呼び声高い大分県代表の杵築中学校と対戦しました。先鋒の吉田選手は剣道を始めて1年3か月での全中大会となりましたが、鈴木選手相手に一歩も引かない粘りの剣道で相手の技を封じ、引き分けとなりました。次鋒の窪田選手も吉田選手からのバトンを受け取り、足を止めずに粘り強く戦い引き分けとなりました。中堅でチームのエースである山下選手は強気に勝負を挑みましたが、相手の気迫と技の勢いが上回り、面を2本とられて負けました。副将の藤田選手も中学から剣道を始めた2年生です。大将の伊藤選手に絶対に繋ぐぞ、という気迫のこもった試合運びで、捨てきって打った面が何本も相手の面に当たりますが旗は上がらず、最後は面返しドウを取られ1本負けとなりました。大将でキャプテンの伊藤選手はチームメイト全員の思いを受け取り、九州大会個人チャンピオンの福園選手に果敢に立ち向かいます。中盤に放ったコテは、相手の手元が上がったところを捉えた素晴らしい技でしたが惜しくも旗は上がらず引き分けとなりました。

男子団体戦では、鯖江中学校が全中大会4連覇中の熊本県代表の九州学院中学校と対戦しました。先鋒の岸本心選手は粘り強く戦いますが、終了間際に相手が放った下を攻めてからのメンに一瞬反応が遅れ、1本負けとなりました。次鋒の岸本掌選手は、とても落ち着いた試合運びでしたが、中盤に打ったコテに対して田村選手が返しメンを打ちました。竹刀は面に当たらずに面布団に落ちたように見えましたが、旗がパラパラと2本上がり、悔しい1本負けとなりました。中堅の田中選手は九州学院中のエース安方選手と互角の戦いを繰り広げます。思いっ切り打ち切った右メンが相手を捉えましたが旗は上がらず、その後に田中選手が相手の攻めに対して、一歩引いてから打ったメンに対してコテを決められ1本負けとなりました。副将の荒井選手は米田選手に対して構えが全く崩れない剣道を見せてくれました。相手のコテが何度も空を切りました。スピードに対して剣道で勝負をする姿に感動しました。大将の堀選手は、攻め合い、技の精度ともに互角以上の試合を見せました。中盤に放った出ばなコテは打突の機会も完璧だったように見えましたが、惜しくも旗は上がらず引き分けとなりました。

団体戦では、女子が杵築中学校、男子が九州学院中学校の優勝となりました。男女ともに全国優勝チームと対戦することができ、自分たちに足りないものを発見するよい機会になったとともに、自分たちが目指してきた剣道をやりきることができれば、全国大会でも戦うことができることも実感しました。試合後に選手たちが流した悔し涙を見て、今大会に向けて本気で戦う努力をしてきたことが感じられました。全国大会出場ではなく、全国大会で勝ち抜くことを目標にして日々の稽古に取り組むことができれば、必ず全国大会で勝負できる選手やチームになると思います。今回の経験を生かして取り組みをさらに改善し、来年はさらに強い選手、強いチームとなって戻ってきたいと思います。

個人戦では、丸岡中学校の下選手が男子個人の部福井県勢初のベスト8に進出し、第5位入賞となりました。1回戦から強豪選手との対戦の連続でした。全中3位の長崎南山中学校の大将の押渕選手には、メンを取られた直後にメンを取り返し、最後はコテを奪って逆転での2回戦進出となりました。久御山中学校の中堂選手には試合開始直後にメンを取り、立て続けにコテを奪っての圧巻の勝利でした。3回戦は、道場連盟の全国大会優勝チームの大将を務めた龍雲中学校の田中選手との対戦になりました。給水タイムを挟むほどの長期戦になりましたが、集中を一切切らすことなく粘り強く戦い、最後は相手の出ばなにコテを放ち勝利しました。ベスト8進出をかけての試合は九州学院中学校の安方選手との対戦になりました。試合は、安方選手の攻めにも全く崩れず、終始下選手のペースで進みました。中盤、下選手が攻め入ったところに安方選手が得意のコテを狙いましたが、下選手は一瞬ためを作り上からメンに乗りました。この技が観客がどよめく程の素晴らしい1本となり、ベスト8進出となりました。準々決勝では、重信中学校の片山選手との対戦になりました。今までの相手とは攻めのタイミングが異なり、下選手の方が少し戸惑っているような印象を受けました。その状況の中で下選手が放ったコテに対して、片山選手がさばいてすり上げメンを放ち、これが1本となり、ここで下選手の挑戦が終了しました。しかし全国の強豪相手にも、全く崩れない剣道で対抗していました。前後の攻めのバランスが絶妙で、その攻め合いの中で相手を引き出しての出ばな技が冴え渡りました。会場内の至る所で、下選手の試合の話が聞こえてくるほど印象的な試合の連続で、試合の度に鳥肌が立つほどの感動を覚えました。福井県の中学生も全国で戦えるんだ、という勇気を与えてくれた試合でした。

全国大会出場に際しまして、保護者の方々の温かいサポートや様々な先生方のご指導に心より感謝申し上げます。ご協力下さいました全ての方々、応援して下さった方々、本当にありがとうございました。